基本情報

ヌードギャラリー
坂井真紀
宮原真琴
ヌード解説
若松孝二監督の執念が結実した本作は3時間を超える上映時間で、観る者の心に深く突き刺さる内容で、事件の壮絶さを伝える上で一切の妥協を許しませんでした。
そのリアリティを支えたのが、役者たちの鬼気迫る演技です。
特に作中でヌードを披露した坂井真紀と宮原真琴の2人の女優の存在は、この映画の持つ「重み」を象徴しています。
彼女たちの演技は、単なるサービスカットと呼ぶには軽すぎる、作品の核心に触れるための不可欠な表現でした。
まず理解すべきは、本作におけるヌードシーンが、連合赤軍内部で行われた陰惨な総括という名のリンチを史実に基づいて描いている点です。
これは、メンバーの尊厳を奪い、人格を否定する過程の象徴であり、若松監督はこの事件の本質を伝えるために、決して目を背けることなくこの描写に挑みました。
したがって、それは物語の必然が生んだ、胸を打つべきシーンなのです。
当時すでに人気女優であった坂井真紀さんは、この過酷な役に覚悟を持って臨みました。
後に主演した映画『ノン子36歳(家事手伝い)』でもヌードを披露し話題となりますが、時系列的には本作が先です。
彼女が演じたのは、リンチの対象となる役どころです。
極寒の山岳ベースで、理不尽な暴力に晒され、心身ともに追い詰められていく様を、鬼気迫る演技で見事に体現しました。
この作品で、坂井さんは単なる人気女優ではなく、作品のためなら裸身を晒すことも厭わない「表現者」としての覚悟を業界内外に示し、その後の役者人生における大きな礎を築いたと言えるでしょう。
そして、多くの観客の心に鮮烈な爪痕を残したのが、新人女優・宮原真琴の存在です。
彼女は、リンチによって命を落とす若いメンバーを演じました、その亡骸は一切の尊厳を剥ぎ取られた姿で発見されます。
死体役、しかもヘアヌードでの登場というのは、新人女優にとってこれ以上なく過酷な役だったはずです。
そこには感情を表現する台詞も動きもありません。ただ、そこに「存在する」ことだけで、事件の悲劇性と非人間性を観客に伝えなければならない。
この極めて難しい役目を、宮原は文字通り裸一貫で、その身をもって見事に果たしました。
残念ながら、この鮮烈なデビュー以降、宮原の女優としての活動は確認されていません。
しかしこの一本の映画に全てを懸けた彼女の献身と功績が色褪せることは決してありません。
本作は若松監督が私財を投じて製作した低予算映画であったことが知られています。
撮影現場は、映画が描く連合赤軍の極限状況さながらに過酷を極めたと言います。
その悲壮感や焦燥が、演出ではなく本物の感情としてスクリーンに焼き付いていることが、本作に圧倒的な説得力を与えています。
若松孝二監督と言えば、他にも「海燕ホテル・ブルー」「完全なる飼育 赤い殺意」「首相官邸の女」の監督として知られています。
いずれも度肝を抜かれるヘアヌードシーンが収録された作品です、あわせてご覧になることをオススメ致します。
そのような状況下で、女優生命を懸けて難役に挑んだ坂井真紀と宮原真琴。
彼女たちのプロフェッショナリズムと魂の献身がなければ、この傑作は傑作として世に受け入れられなかったことでしょう。
その覚悟と勇気に対し、心からの敬意と賞賛を贈りたいと思います。














