基本情報
| 作品名 | 鳥を見て! |
| 公開日 | 2012年4月14日 |
| 監督 | 佐々木友紀 |
| ヌード女優 | 七咲楓花 |
| ヘアヌード | ✖ |
ヌードギャラリー
七咲楓花
ヌード解説
常に挑戦を続け、長期シリーズとして確立された「青春H」シリーズ。
その第22作目『鳥を見て！』は、シリーズの根幹を揺るがし、多くのファンを戸惑わせた問題作です。
本作のヒロインを務めたのはAV女優として人気を博し、後に女優「樹花凜」として大蔵映画などで活躍することになる七咲楓花です。
AVでは過激なジャンルにも挑んでいた彼女が、本作で女優としての新たな一面を見せようとしていたことは間違いありません。
、スクリーンで許される肌の露出は、ほんの一瞬のバストトップのみです。
これは女優のポテンシャルを全く活かしきれていないと言わざるを得ません。
脱ぐ覚悟を決めていたであろう女優に対し、あまりにも失礼な演出と言わざるを得ません。
本作が抱える最大の問題点は、監督・佐々木友紀の製作意識にあります。
20代という若さというフレッシュな感性に期待が寄せられましたが、その結果はシリーズの歴史とファンへのあまりにも無理解な裏切りでした。
「青春とH」をテーマに低予算の中で監督の作家性と女優のヌードを武器に戦ってきたのが、このシリーズの原点です。
しかし本作は、その根幹である「H」の要素を意図的に排除している、もしくはまったく表現しきれていません。
これを「挑戦」と呼ぶことが出来ません、シリーズの看板を利用しながらその趣旨を放棄する怠慢とも感じてしまいます。
どれほど映画への強い想いがあろうと、シリーズの歴史とそれを支えてきたファンが何を求めているかを無視して良い理由にはなりません。
もしヌードを用いずに心象風景を描きたいのであれば、それは「青春H」という看板を掲げずに完全なオリジナル作品として世に問うべきでした。
もちろん、実験や挑戦を許容してきたのが「青春H」の魅力です。
しかし本作の試みは、シリーズのお約束を無視した、ただの独りよがりな作品に終わってしまった印象が否めません。
女優の覚悟を踏みにじり、ファンの期待を裏切った本作は、シリーズが長期化する中で生まれた「置きにいった安全策」の象徴であり、残念な一作として記憶されています。
この手痛い失敗が、後の傑作を生むための糧となったと信じたいところですが、その評価は極めて厳しいものとなるでしょう。
最期に、当サイトの方針について改めてご説明させてください。
映画における女優のヌードを、重要な「表現」の一つとして捉え、その魅力に迫ることを目的としています。
その観点から言えば、ヌードを意図的に排除した本作の製作姿勢は、残念ながら受け入れられるものではありません。
しかし「青春H」シリーズの全軌跡を記録するという目的のためには、この挑戦的、あるいは問題作とも言える本作を無視することはできませんでした。
もちろん、これは「ヌード」という評価軸があってこその批評です。
このフィルタを通さずに純粋な一本のインディーズ映画として本作と向き合ったならば、また異なる感想や評価が生まれるであろうことも最後に記しておきます。