基本情報

| 作品名 | ソーローなんてくだらない |
| 公開日 | 2011年8月20日 |
| 監督 | 吉田浩太 |
| ヌード女優 | 梅野渚 |
| ヘアヌード | ✖ |
ヌードギャラリー
梅野渚
ヌード解説
常に挑戦的な作品を世に送り出してきた「青春H」シリーズ。
その第14作目、吉田浩太監督による『ソーローなんてくだらない』は、シリーズの中でも特に異色のそして重要な一作として再評価されるべき作品です。
一見すると、その挑発的なタイトル通り「くだらない」と感じるかもしれません。
しかしその奥には、後の名監督が才能を開花させるための、必要不可欠な挑戦の軌跡が刻まれています。
監督を務めたのは、後に『ちょっとかわいいアイアンメイデン』や『好きでもないくせに』といった現代日本映画におけるヘアヌード映画の最高傑作を撮り上げることになる吉田浩太です。
本作はそんな彼がまだキャリアの初期に、自身の作家性を模索していた時代の貴重な記録と言えます。
直接的なヌードシーンは極端に少なく、観る者を挑発するようなシチュエーションエロスに重点が置かれています。
この野心的な試みは、刺激的なヌードを期待する層からすれば「失敗」だったかもしれません。
しかし、この経験があったからこそ、彼は自らの武器を確信し、あの傑作群を生み出すに至ったのです。
この映画は偉大な才能が飛び立つ前の、美しき助走の物語なのです。
本作のもう一つの魅力は、ヒロインを演じた梅野渚のユニークな存在感です。
音大のピアノ科を卒業後、女優を志したという異色の経歴を持つ彼女はシリーズ初の30代のヒロインとして、これまでの作品とは異なる成熟した空気感を作品にもたらしています。
遅咲きながらも着実にキャリアを重ねてきた彼女が、本作のようなインディーズ作品でヌードを厭わないその姿勢は、表現者としての真摯な覚悟を感じさせます。
現在は音楽活動も精力的に行っているという梅野の女優としての貴重な挑戦を目撃できるのも、本作の価値を高めています。
ヌードという一点で見れば、本作は物足りないかもしれません。
しかし、その独創的な「シチュエーションエロス」の演出は、海外で高く評価されました。
なんと本作は、イギリスのレインダンス映画祭で、ベストインターナショナル長編作品賞にノミネートされているのです。
これは本作が単なるエロスではなく、人間の孤独や滑稽さを描いた、普遍的な価値を持つ映像作品であることを証明しています。
「くだらない」というタイトルは、もしかしたら監督の自嘲と、それでも挑戦せずにはいられないという決意表明だったのかもしれません。
吉田浩太という才能の原点と、梅野渚という女優の覚悟、この二つの才能が交差した、日本映画史における重要な一点をぜひその目で確かめてみてください。






