基本情報

| 作品名 | 花つみ |
| 公開日 | 2011年9月24日 |
| 監督 | サトウトシキ |
| ヌード女優 | 和田みさ |
| ヘアヌード | 〇 |
ヌードギャラリー
和田みさ
ヌード解説
常に挑戦を続ける「青春H」シリーズ。
その第15作目として、ピンク四天王の一人、サトウトシキ監督が手掛けた『花つみ』は、シリーズの歴史を語る上で決して外すことのできない、重要な一作です。
なぜなら本作は、後に日本映画界に欠かせない存在となる個性派女優・和田光沙の、才能の萌芽を記録した貴重なドキュメントだからです。
本作の価値を決定づけているのは、主演・和田光沙の圧倒的な存在感です。
今でこそ、映画、ドラマ、舞台と媒体を選ばず引く手あまたの彼女ですが、本作出演時はまだキャリアの序盤です。
しかしその才能の片鱗は、すでにこの時から隠しようもなくスクリーンに溢れています。
彼女はいわゆる典型的な美人ではありません。
しかし、それを補って余りある生々しい「色気」と、その色気を巧みに操る卓越した「演技力」を持っています。
ヌードを単なるお色気としてだけではなく、登場人物の感情を表現するための必然として見せる。
そのクレバーな表現力こそ、彼女が後に大成した最大の要因でしょう。
終盤、物語の流れとは一見無関係に、しかし強烈なインパクトで挿入されるヘアヌードシーンは、彼女の女優としての覚悟と、監督の確かな演出力が融合した、本作最大の見せ場であることは間違いないです。
監督を務めたのは、『愛妻日記』などで素晴らしいヘアヌード映画を撮りあげたことでも知られる、ピンク映画界の巨匠・サトウトシキ。
すでに確固たる地位を築きながらも、こうした低予算のインディーズ企画に精力的に参加するその姿勢には、頭が下がる思いです。
彼は「青春H」シリーズを気に入っていたようで、本作以外にも「イチジクコバチ」「青二才」で監督を務めています。
巨匠が和田光沙という才能を見出し、彼女の持つ独特の魅力を最大限に引き出したこと、それこそが本作が単なるシリーズの一本に終わらなかった理由です。
「青春H」シリーズの興味深い傾向として監督が出世する一方で、主演やヒロインを務めた女優は(元々知名度のあったAV女優は例外として)その後の活躍が伸び悩むケースが多く見られます。
しかし和田光沙はこの法則に当てはまらない、最大の成功例と言えるでしょう。
彼女はキャリア初期に本作で確かな結果を残し、それを足がかりにジャンルを問わず活躍する日本屈指の個性派女優へと成長を遂げたのです。
本作出演時、和田光沙の年齢は27歳前後だったと推測されます。
シリーズ初期の20歳前後のヒロイン像からは少し外れますが、「青春に年齢は関係ない」というシリーズの懐の深さを感じさせます。
『花つみ』は、一人の偉大な女優がまさに羽ばたこうとする「誕生の瞬間」と、それを的確に見抜いた巨匠監督の仕事が記録された奇跡のような作品です。
和田光沙のファンはもちろん、すべての日本映画ファンに、この瑞々しくも力強い才能の原点を目撃してほしい、そう切に願います。









